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30代文系出身SE(男)が日常生活のブログ。脳みそのバッファメモリを退避して、毎日やすらかに眠りたい。という思いで更新しています。

【レビュー】 ワールド・トリガーを読んで興奮する僕は困った性癖なのかもしれない

少年どころか青年もレンジ外の年齢だが、
週刊少年ジャンプに連載されている「ワールド・トリガー」が最近のお気に入りである。
なになにググると「ワートリ」と呼ぶみたい。ふーん、そうなんだ。
このワートリは主人公が悪者と戦って成長していくという一見ジャンプらしい漫画だ。
けれど、読んでいくとだんだん感じてくるこのわくわく感はなんだ。
作者の葦原さん、ストーリーテラーとしてすっごい才能ある。話がとても面白い。
絵は独特かな。漫画というよりコミック、アニメという感じの絵だ。
デフォルメされてるけど変にリアリティーを感じる。
うまく言えないけど、読み応え的に全体的にSFCの良作なRPGをやっている印象。
マザー2に近い。(うんあれは面白かった。)
ジャンルがSFなのも「はまる」ツボだろうか。

僕はどちらかというと絵は下手糞でも面白いストーリーだったらよい派だ。
富樫先生、僕はラフ絵でも構わないと思いますよ。

でも世の中には作画が綺麗じゃないと許せないという人もいる。
このワートリはそういう人達でも文句のない絵だ。
のっぺりとした絵で1コマ1コマの「迫力」はないけれど、
それを指摘するのも野暮かなと思う妙に説得力のある絵だ。

前作の「リリエンタール」もなんだか新しいテイストの漫画だなぁ
と思って注目してたけど、残念ながらちょっと尻切れトンボみたいに終わってしまった。
是非とも今作はブレイクして長く(適度に)続けてほしい。

天下のNHKが国民から絞りとった莫大な金で是非アニメ化して欲しいものである。
よくわからん言語の講座開いていないで、
こういうところに金を使いなさいと進言したい。
もっと深海生物とかそういうディスカバリー的な番組をもっとやってほしい。

とまぁ、今後とも期待の「ワートリ」だが、
作中にはっとするセリフがあった。

「法律は人を守るものではなく世の中をまわすためのものだ」。

そのとおりだ。

「法律(あるいは憲法)の規定内にいれば絶対的に守られている」という勘違い。
義務教育とメディアの洗脳の賜物か、あるいは僕が日和ってたか。
僕は法律をこのように認識すべきなのだ。

道端で誰かに殴られて殴り返したら「殴られたから」殴ったという理由は通用しないし、 殴り返さずに我慢したら、なぜ「殴り返さなかったのか」という理不尽な憤りと
「自分からは殴らなかった」というちっぽけな自尊心を抱えて
過ごさなくてはいけなくなってしまう。
殴り返す余力も気力もない圧倒的な暴力に晒される可能性だってある。

でも、法律(あるいは憲法)は神話的で超越的な雷を落とさない。

なぜならそれは神の裁きなどではなく、 人間(特に選抜された政治家や権力者)が決める社会の(複合的)ポリシーだからだ。
だから弁護士っていう職業が存在して、「法の解釈」という言葉があるのだろう。 人は裁判という戦争をするのだろう。

これこそが人の営みなのだと僕は感じる。

そして僕の好奇心はうずうずしてくる。
どうやら僕はこの「認識を改める行為」に軽い興奮を覚えるようなのだ。
ワールド・トリガー、これからも僕を興奮させて欲しい。
この結びは変態か・・・。